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プロフェッショナルとして最も大切なこと

photo by Jenna Wentz

本記事は著者であるEdmond Lau氏の許諾を得て The Single, Most Valuable Lesson I've Learned in My Professional Life を日本語訳した記事です。

私が勤務していたスタートアップ企業のウーヤラ社では、長時間労働があたりまえだった。週の労働時間は70~80時間で、60時間未満になることはまずなかった。夕食後も自宅から戻って仕事を続け、休日返上で働き、トラブル時はいつでも対応できるようにしていた。

競争の激しいオンライン・ビデオ市場で負けをとっていた私たちには、やるべきことが数多くあり、グズグズしている余裕などなかった。「もっと働くことで、この会社が成功する」そう思っていたのだ。

それから数年、私は長時間働くことが最善策ではないことに気づいた。実際、時間をかければよい結果に結びつくというものではない。長すぎる労働時間は、極度の疲労を招き、生産性を低下させる。そして、ミスの修正に時間をとられ、生産性はますます低下してしまうのだ。

ここで、より効果的な方法を紹介したい。これは、私がプロフェッショナル生活で学んだたった1つの、そして最も重要な教訓である。

高レバレッジな活動に集中する

レバレッジとは、費やした時間に対し、どれだけ生産性が上がり、効果が出たかを問うものだ。すなわち、時間という投資に対する利益を指す。

これは、起きている時間はなるべく仕事に使いたいという人にも、ティム・フェリス提唱の「週4時間だけ働く」哲学を支持する人にも当てはまるものだ。使える時間よりも、やるべき仕事は多い。そのため、やるべきことに優先順位をつけなければならない。労働時間を増やせば、単に効果が上がるわけではない。必要なのは、賢く働くこと。つまり、次に何をすべきか、よりよい選択をすることだ。レバレッジは指針となる重要な基準で、どの時間に重点をおくかを決める際に役に立つ。

レバレッジについて考えるとき、「パレートの法則」または「80対20の法則」を用いるのもよいだろう。この考え方は、80%の成果は20%の努力が生むというもので、非常に高レバレッジな活動といえる。「週4時間だけ働く」というのは、この考え方をさらに極限化したものである。

では、標準的な労働時間を週40時間とした場合、どうすれば10%の努力(4時間)で効果を上げられるのだろうか。

インテルの前CEOアンドリュー・グローブ氏は、著書『インテル経営の秘密』のなかで、レバレッジと生産性は次の3つの方法によって向上すると話している。

 

  • 活動の遂行に必要な時間を減らすこと
  • 特定の活動の効果を上げること
  • レバレッジ効果が高い活動にシフトすること

 

どれが最もレバレッジ効果が高い方法かを判断するのは、時として非常に困難である。

そこで、私が実際に行っている、時間のレバレッジ効果を高める活動例をいくつか紹介したい。

レバレッジ効果を高める活動例 

  1. 新入社員のトレーニング
    新人トレーニングは、レバレッジ効果がきわめて高い活動だ。年47週、週40~60時間労働と仮定した場合、従業員は年間約1880~2820時間働く。毎日1時間、1ヶ月で20時間を新入社員の指導にあてることは、かなりの時間に思える。しかし、実際、新入社員の労働時間のわずか1%にすぎない。そのわずかな時間が、残り99%の労働時間における生産性に重要な影響を及ぼすのだ。
  1. ツールを構築し、作業を自動化する
    ソフトウェアエンジニア出身の私がよく行うのは、ツールを作り、手動・反復作業を減らすことだ。少し先入観もあるかもしれないが、「コーディングについて少し知っておくと、誰にとってもプラスになる」と考えている。機械ができることを、わざわざする必要はないのだ。
  1. 学習や改善に時間を費やす
    これは、スティーブン・コビー氏が著書『7つの習慣』の時間管理のマトリックスで述べている、「重要だが緊急でない」活動にあたるものだ。私たちは、学習を緊急課題とみなさず、どうでもよい割り込み仕事はたやすく予定に組み込んでしまう。しかし、学ぶことで仕事の生産性が向上し、チャンスが増える。学習は、レバレッジ効果の高い大切な活動といえる。
  1. 業務に優先順位をつける
    クオラ社でユーザー獲得に取り組んでいた頃、私のチームは顧客エンゲージメント指標を改善する方法を一日中考えていた。次に何に取り組むべきかを決定するには、やるべきことを定期的に見直さなければならない。使える時間以上にやることは多いものだ。定期的に優先順位をつけることは、本当に重要なことに時間をかけているかを確かめる唯一の方法なのである。
  1. Tech Talkを開き、新入社員をチームに加える
    クオラ社の新入社員は、一連のTech Talkやコードラボを経験する。これは、グーグルに触発されて作られたトレーニング方法だ。社内で使う主要なソフトウェアの概念やコンセプトの説明、理論的解釈、コードのウォークスルーなど、業務に必要な知識をより深めるためのエクササイズになっている。
    このトレーニングシステムの書き込みには多くの人と時間が必要だ。しかし、拡張可能で再利用できるリソースを生み出す。さらに、新入社員を個別に指導する時間を大幅に削減し、皆同じコンセプトを共有することができるのである。
  1. 議題のない無意味な会議はやめる
    運営が下手な会議は時間の無駄である。他人の時間を無駄にしないよう、主催する会議の目的を明確にしたうえで、議題を適切に設定しなければならない。
  1. 面接に時間を割き、そのプロセスを改善する
    面接は大変な労力を要する。仕事が中断するうえ、候補者と話す時間、フィードバックを書きあげる時間、報告を受ける時間などを合わせると、かなりの時間になってしまう。しかし、ふさわしい人材を採用しているか、よいプロセスが実施されているか、ともに楽しく働ける人物であるかを確認することは、強いチームと製品をつくるために最も重要なことだ。私自身、1週間に4人の候補者を面接する週もあった。自己最高記録は、リクルートシーズンに20日間続けて20回の面接を行ったことだ。
  1. 先行事例を活用する
    簡単に入手出来るものを新たにつくるより、先行事例に手を加えよう。オープンソースプロジェクト、サードパーティツール、そして戦略的なアウトソーシングを活用することで、より多くの時間をコアコンピテンシーに費やすことができるようになる。

まとめ

これらの活動は、ほんのわずかな例である。ただ仕事に真面目に取り組み、長時間働くよりも、高い効果を上げることができるだろう。自分自身のキャリアで何ができるか、これらの例を参考に新たなアイディアが生まれることを願っている。

一生懸命働くのではなく、賢く働こう。

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