Loading

ワン・トゥ・ワン―君はイチから何を見出だせるか

こんにちは、これで最後の投稿になります。きたむらです。

ブログなど全然書く気もなかったし、書きたいともあまり思っていなかったのですが、気がつけば、他のメンバーと比べて自分が圧倒的に記事を投稿していました。成果を出すのはやる気の問題でもなく、本人のポテンシャルが重要だということでしょうか。

成果とやる気の問題については「一生懸命」<「普通」で、ポテンシャルの問題についてはできるとできないの距離で書いたので、よろしければご一読ください。

さて今回の題名ですが、読んだことのある人ならピンときたかもしれません。
ピーター・ティールの『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』をもじったものです。当書では新しいことを生み出す力、クリエイティビティの素晴らしさとその実践を語った本です。

0から1を生み出すことの素晴らしさは誰の目から見ても明らかですが
今回は、その1を生み出した後のことについて考えます。

1を生み出す力

先程も述べたとおり、0から1を生み出すのは誰にとっても分かりやすいことです。iPhoneがある今の世界(1)と、iPhoneがなかった過去の世界(0)では
世の中のありようが全然変わってきます。

スマホを日常的に使っている人は、もう今となってはスマホのない時代には戻れないでしょう。
一世代前のガラケーにしても、携帯が存在しない世界で生きるなど、今となっては考えづらいでしょう。

そういった意味で、0から1を生み出すことは、世界の人々の生き方を様変わりさせる力があるのです。
ゼロ・トゥ・ワンの通り、何かを創り出すことは、人類にとって、より便利な生活を享受するためのとても尊い行いなのです。

1を持続する力

さて、ここからが本題です。
スマホの登場により、人々の暮らしはより便利になり、また、今までになかった経済需要も創出することができました。ただ、すべての人が常にスマホを使い続けることができる、という状態を保つためにも莫大なコストがかかっているのです。

スマホを充電するための安定した電力供給、電話やデータ通信を行うための通信網、その基盤となるインターネットインフラ、OSのメンテナンス、アプリの開発やメンテナンス、スマホ本体を全世界に安定供給できる生産ライン、それをユーザの手まで届けるためのロジスティクス網、販売する人、宣伝する人、カスタマーサポートをする人、
故障を修理する人…etc、数え上げればキリがありません。

1を生み出したあと、その1を1に保つための力が、たくさん必要になるのです。
1となったものは常に1であることが当たり前とされて、1が1であり続けることに1を生み出す以上の労力がかかる、というところまで想像を働かせることは、なかなかないことだと思います。

0から1を生み出した事実は分かりやすくて、みんなが評価できますが、1を1のままに保つという現実はほとんど評価されていないのではないでしょうか。

1が1であり続けることの素晴らしさ

世の人々はiPhoneの新作発表があれば熱狂して賞賛しますが(最近はそうでもない?)
日頃スマホをいじりながら、その瞬間瞬間に思いを寄せることはあまりないと思います。
ただ、企業側もその瞬間瞬間を継続させるためにとても労力を割いています

例えば、ポケモンをヒットさせたことはすごいことだと思いますが、ポケモンの人気を20年以上も持続させている事実のほうがすごいことだと思いますし、コーラやポッキーといった定番商品は、その商品を開発したコストより、その商品を日常の一部として浸透し続けさせるために使われている宣伝費のほうが圧倒的に高くなっているはずです。

日常が日常であることは意識しにくいですが、それはそれでとても尊いことです。

「平和とは戦争と戦争の間の状態」という定義と同じく、「日常」というのは創造的に持続されている状態なのです。

インフラおじさんは神である

野球のイチロー選手がメジャー通算3000本安打を打ったり、サッカーの本田選手がワールドカップ進出のかかった試合でゴールを決めたりした瞬間はみんながその偉業を褒め称えます。

 しかし、蛇口をひねって水が出たり、スイッチを入れるだけで電気がついたり、電車が自宅の最寄り駅から会社の最寄り駅まで自分を運んでくれても、それらのことに対して、その偉業を褒め称えている人はほとんどいません。

 もし仮に、イチロー選手や本田選手がこの世にいなかったとしても、普段の生活で困ることにはなりませんが、水道から水が出なかったり、電気がつかなかったり、電車が止まってしまったら、大変に困ります。排泄行為すらまともにできなくなります。

そういったインフラを24時間常に持続し、「日常」を創造している人がたくさんいます。ときにはそういった人たちのことにも想いを寄せて、感謝の気持ちを持つことも大事だと思います。 

0から1を生み出す創造も素晴らしいですが、1を1に保つことも同じかそれ以上の創造力の上に成り立っているのです。 

著者アイコン

著者きたむら

プログラマー的なサムシングにして歩くホワイト企業

関連記事